
短大の非常階段を滑り降りる大きな容器には、約150キロの土粘土が詰っています。その粘土が短大から附属幼稚園に引っ越して行きました。長年短大の倉庫でシンデレラのように眠っていた粘土でしたが、先生方の知恵で新たな役目を得ました。新プロジェクトは実はここからスタートを切りました。

幸いにして粘土を練り直すための機械も夢から無事に目覚めてくれました。石のようにコチコチになっていた粘土も、比較的にまだ柔らかかった粘土も、幼稚園の先生方が2日間かけて全部練り直してくれました。これでどの子も2キロ位の粘土を手にすることができました。

年長児になると自分の体重をよく知っている子もいます。でも、粘土君の体重を推し量るのは難しいのです。「粘土君の体重はどのくらいかな?」と聞くと、「20キロ」(自分自身の体重)と言う子も、「100キロ」と言う子も。皆とてもいい考えをもっていましたが、自分の予測が当っているかどうか、やはり計りをもって調べてみました。
子どもの体重比を考えて、欲を言えばもう少しほしいところですが、2キロの塊を手にしても「おもい、おもい」の感想が口から自然にもれました。重さが体に応えて、両腕が自然と下がり、背中も丸くなりました。
手を離して粘土を床に落下させてみたり、思い切って力を込めて床に投げつけてみたり、両手で持ち上げて優しく床にトントンと当ててみたり等をして、力加減で変形する様子を楽しんでいました。先生と同じくサイコロやピラミッドを作る子もいて驚きました。

足を包んでみるとまるで大きな靴。その足を持ち上げてみると重さで体のバランスが崩れそうになり笑顔がこぼれた。おっと、ひっくり返りそう。

粘土の上に乗り、ジャンプ・ジャンプ。

シートにくっついた粘土をはがすのは楽じゃないけれど、遊ぶためならなんのその!気にしない、気にしない。

2キロの塊を手でちぎってみる。何個できたかな?さすがの年長児、口で言う数と指の動きがシンクロするように大人と一緒に数えたら67まで数えられました。

自分たちで作った小さい塊を一つ残らず団子に。

たくさんあると何だか並べたくなりますね。並べかたは皆それぞれで、子どもが考えていることが手に取るように分かります。

46人の子どもたちが作った団子を切れ目無くびっしりと並べ直す。小さな点のような団子達がくねくねした線に変身し、生き物のように伸びて行く。

不思議な迷路のような絵が出来ました。シートにこびりついた小さなかけらまで拾いたくて…どこかにくっつけたかったようです。

最後に“迷路”の中を皆で歩きました。踏まないように歩く子、足であえて踏みつぶす子。活動開始から約2時間経過していましたが、まだまだ遊べそうでした。先頭を歩いていた5-6人は計り(粘土の重さを量るために高校に貸していただいた昔ながらのアナログ測定器…今はなかなか手に入らないもの!残念)の回りに。何をしているかなと見てみると、シートからこぼれ落ちていた小さな粘土を手で集めて計ったり、先生が脱いだスリッパから目に入るもの(濡れた雑巾まで!)全てを計っていました。子どもの好奇心(知りたい気持ちの強さ)に本当に感心しました。
深谷